仏像を知るために

仏像を知る:菩薩(ぼさつ)

Placeholder image

菩薩とは
 如来の次に位置づけられるのが「菩薩」。
自ら修行しつつ、人々を救済する役割を果たす。多くの人々の救済を目指す大乗仏教の発展に伴って、様々な菩薩が生まれるようになった。釈迦の王子時代がモデルとなっているため、額に白毫があるなど、如来との類似点もあるが、姿は古代インドの王族。
現世の虚飾や欲をまだ捨てていないため、髪を結い上げ、装身具で飾り立てた華やかな姿が一般的。
「菩薩」の特徴
如来の次に位置づけられるのが「菩薩」。
自ら修行しつつ、人々を救済する役割を果たす。多くの人々の救済を目指す大乗仏教の発展に伴って、様々な菩薩が生まれるようになった。釈迦の王子時代がモデルとなっているため、額に白毫があるなど、如来との類似点もあるが、姿は古代インドの王族。
現世の虚飾や欲をまだ捨てていないため、髪を結い上げ、装身具で飾り立てた華やかな姿が一般的。
宝冠(ほうかん)
(けい):髪の毛を美しく結い上げる。
白毫(びゃくごう):白く長い毛が渦を巻いて生えている。
三道(さんどう):首に三本のシワが刻まれている。
耳璫(じとう):イヤリング
瓔珞(ようらく):貴金属や宝石をつないだ飾り(ネックレス)
腕釧(わんせん):輪状の飾り(ブレスレット)
臂釧(ひせん):輪状の飾り(アームレット)
足釧(そくせん):輪状の飾り(アンクレット)
持物(じぶつ)
(くん):巻きスカート状の衣
天衣(てんね):肩や腕に掛ける細長い飾り布

弥勒菩薩(みろくぼさつ)

Placeholder image

〇プロフィール
苦しみから悟りを開いた釈迦(※ゴータマ・シッダッタ王子)をモデルとした仏像。

〇特徴
慈悲相(じひそう):救いを求める人々を助けようとする慈愛の表情。
思惟手(しゆいしゅ):人差し指と中指と薬指を軽く頬にあてて考える姿。
半跏(はんか):片足だけ反対の足のももに乗せる座り方。

文殊菩薩(もんじゅぼさつ)

Placeholder image

〇プロフィール
無限の光で現世の人々を救い、「南無阿弥陀仏」を唱えたら臨終時に極楽浄土へと導く。
左に観音菩薩、右に勢至菩薩を従え極楽浄土を約束する。
如来の基本形である釈迦如来に似ているが、印相が あるので手を見ると見分けることが出来る。

〇特徴
髻(もとどり):結い上げている髪。
白毫(びゃくごう):白く長い毛が渦を巻いて生えている。
剣(けん):智恵を表す持ち物。
経巻(きょうかん):智恵を表す持ち物。
結跏趺坐(けっかふざ):両足を互いの太ももの上に乗せる。
獅子(しし):「百獣の王」獅子は文殊菩薩の秀でた智恵を表している。

五島では
30番 大円寺(脇仏)・34番 清浄寺(脇仏)

普賢菩薩(ふげんぼさつ)

Placeholder image

〇プロフィール
人々を病気や災難から救う。万病を治す薬壺を左手に持っている。
※阿弥陀如来は来世の極楽浄土に対して、薬師如来は現世利益。

〇特徴
合掌印:密教では宝剣や蓮華などを持つことがある。
牙:6つの牙は「目・耳・鼻・舌・身・意」のことで人間の身心を表す。
結跏趺坐(けっかふざ):両足を互いの太ももの上に乗せる。
蓮華座(れんげざ):蓮の花の台座。
白い象:清浄を表す。
象:大地をしっかり踏みしめる象は「実践力」の象徴。

五島では
30番 大円寺(脇仏)・34番 清浄寺(脇仏)

虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)

Placeholder image

〇プロフィール
太陽を上回る光ですべてを照らすことを意味する。密教から生まれた仏の中の王。
大日如来には、「智恵」金剛界大日如来と「慈悲」胎蔵界大日如来がある。

〇特徴
五仏の宝冠:化身の5つの小さな仏がついている冠。
宝珠(ほうじゅ):あらゆる願いをかなえてくれる玉。
剣:煩悩を断ちきる。
結跏趺坐(けっかふざ):両足を互いの太ももの上に乗せる。

結跏趺坐(けっかふざ):両足を互いの太ももの上 に乗せる。

五島では
1番 明星院

地蔵菩薩(じぞうぞうぼさつ)

Placeholder image

〇プロフィール
すべての人を救うためにこの世にとどまっている。
地蔵グループ(貴族ファッション)ではあるが、この世にいる仏なので人間の僧のような袈裟を着ている。立ち姿が多い。

〇特徴
剃髪 白毫(びゃくごう):白く長い毛が渦を巻いて生えて いる。 宝珠(ほうじゅ):あらゆる願いをかなえてくれる玉。 錫杖(しゃくじょう):持って歩くと音がして悪を退 散させる。

五島では
76番 妙泉寺・54番 金福寺観音堂

勢至菩薩(せいしぼさつ)

Placeholder image

〇プロフィール
智恵の光をつかさどり、その光で衆生を照らし救う。
阿弥陀三尊像の脇侍を観音菩薩とともに努めている。宝冠についている水瓶が目印。。

〇特徴
宝冠:水瓶がある。願いを叶える水が入っている。
白毫(びゃくごう):白く長い毛が渦を巻いて生えている。
三道(さんどう):首に三本のシワが刻まれている。

五島では
26番 宗念寺・35番 神宮寺・39番 来迎院

観音菩薩(かんのんぼさつ)

Placeholder image

〇プロフィール
救いを求めている人々を観察して自在に救う。頭には阿弥陀如来の化仏(小さな仏)をつけている。

〇特徴
宝髻(ほうけい):結い上げた髪。
化仏(けぶつ):頭に小さな如来像をつけている。
白毫(びゃくごう):白く長い毛が渦を巻いて生えている。
三道(さんどう):首に三本のシワが刻まれている。
条帛(じょうはく):タスキのようにかけている布。

五島では
〇 本尊
34番 慈光院・47番 平蔵観音堂・48番 樫ノ浦観音堂・49番 栄林寺・55番 白石観音堂(地蔵堂) 56番 渕ノ元観音堂(地蔵堂)・61番 柏観音堂(地蔵堂) 64番 丹奈観音堂・86番玉之浦観音堂
〇脇仏
26番 宗念寺・35番 神宮寺・37番 大通寺・39番 来迎院58番 良永寺

十一面観音菩薩(じゅういちめんかんのんぼさつ)

Placeholder image

〇プロフィール
11の顔であらゆる方向を見て、あゆる人々を悩みや苦しみから救い全ての願いを叶える。

〇特徴
化仏(けぶつ):頭に小さな如来像をつけている。
白毫(びゃくごう):白く長い毛が渦を巻いて生えている。
三道(さんどう):首に三本のシワが刻まれている。
条帛(じょうはく):タスキのようにかけている布。
水瓶(すいびょう):願いを叶える水が入っていて、ふりかけるとけがれが消える。
裙(くん):巻きスカート状の衣。
天衣(てんね):肩や腕に掛ける細長い飾り布。
与願印(よがんいん):人々の願いをかなえると言うメッセージを伝える印相。

五島では
24番 水主町観音堂・29番 観音寺・74番 寶性院・81番 小川原地蔵堂

千手観菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)

Placeholder image

〇プロフィール
千は無限を意味するので、救済する力や手段を無限に持つ仏だと考えられている。十一面観音と同じく 頭に多面をもつ。手は42本の姿が一般的。(40手× 25=1000)

〇特徴
頭十一の面:十一面観音と同じ
化仏(けぶつ):頭に小さな如来像をつけている。
白毫(びゃくごう):白く長い毛が渦を巻いて生えている。
三道(さんどう):首に三本のシワが刻まれている。
条帛(じょうはく):タスキのようにかけている布。
瓔珞(ようらく):貴金属や宝石をつないだ飾り(ネックレス)。
裙(くん):巻きスカート状の衣。
天衣(てんね):肩や腕に掛ける細長い飾り布
持物(じつぶ)
合掌印(がっしょういん):正面

五島では
65番 通福寺・79番 天福寺

馬頭観音菩薩(ばとうかんのんぼさつ)

Placeholder image

〇プロフィール
煩悩を断ちきり悪を砕く。菩薩では唯一怒りの表情をし、頭上には馬を乗せている。

〇特徴
馬頭(ばとう):冠の上には馬の頭がある。
第三の目:額の真ん中に第三の目があるのは、不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)と同じ
。 炎髪(えんぱつ):炎が風であおられているような髪型、明王には見られるが菩薩では馬頭観音のみ。
馬口印(ばこういん):胸の前で親指、中指、小指を立てて残りは曲げて合掌する印相。

五島では
1番 明星院